買い主が、ある中古住宅の検分に現地を訪れて、その敷地を眺めたとき、庭には池あり、庭石あり、あるいは美しい植栽あり、というので途端に気に入って購入することをきめた。ところがその買い主が引渡しを受けて現地に行ってみたところ、気に入った庭石や植木のたぐいがみな搬出されているではないか。これでは売り主のサギではないか、とトラブルを起こすというケースがある。このように、一戸建ての住宅を売却する場合、庭の庭石や庭木は、移転先に搬出できるのか、できないのか。売り主としては、たしかに長年育てた庭木や長いあいだ眺めつづけてきた庭石には、当然、愛着があり、住宅を売りに出した当初から移転先に搬出するはずであった。だが、売り主がこれを黙って持ち出したのはまずかったと言わねばならない。庭木、庭石などに関して何の話し合いも行なわなかったとすれば、買い主は当然、売却価格のなかに、これら庭木・庭石などの分を含めて考えていたことになるからだ。むろん、庭木、庭石を持ち出すことは可能である。ただし、売買契約のときには、どれとどれを持ち出すということをきめて話し合い、その契約書に明記しておく必要がある。こうしておけば、買い主が住宅の引き渡しを受けてみたところ、庭木、庭石などへの期待はずれの感を持つはずがないし、トラブルのタネになることもない。
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