実は、区分所有法の歴史は、極めて浅い。誕生したのは、昭和37年。それまで民法の一部に集合住宅(法律上は共同住宅)に対する取り決めがあったのを独立させ「建物の区分所有等に関する法律」(略して区分所有法)としたものだ。区分所有法が生まれる以前の集合住宅というのは、落語に出てくる長屋の生活に近いものがあった。区分所有法以前の昭和23年、戦後初の「中層耐火住宅」として建設された都営高輪アパートの場合、鉄筋コンクリート造地上4階建てであったにもかかわらず、電気メーターが1つしか設置されなかった。
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毎月の電気代は、住戸数で割って払ったのである。そのような丼勘定から徐々にマンションにおける生活が整備された。高輪アパートは、実験的住宅の色彩が強く、事実、最初に住んだのは建築学の教授家族など、建築関係者だった。当時の日本住宅公団(現・都市基盤整備公団)も、高輪アパートを参考に、良いところは取り入れ悪いところは改良して、日本のマンションをつくり上げていった。その過程で区分所有法も誕生。その翌年にあたる昭和38年、公団は多摩ニュータウンの建設に着手し、マンションの時代が本格的に始まったのである。
●建て替え老朽、損傷、一部の滅失
その他の理由により、建物を補修するより建て替えたほうが安上がりと判断されたときは、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で、建物を取り壊し、同様の目的を持つ建物を建築することを決議できる。