日本では家族と住むか一人で住むか以外の選択肢は少なく他人と住むことに対してはさまざまな抵抗や偏見が存在する。それは、家族ならば安全で安心だと、どこかで信じていることの裏返しでもあった。他人と住むのが面倒だと感じるのは、一緒に住んでも面倒がない利害の一致した家族を信じているから、他人と住むのが危険に感じるのは、どこかに自分に危害を加えない安全な関係があると信じているからであろう。しかし、海外の実践や、ようやく始まった日本での試みのなかに、家族と他人の境界を超えたさまざまな住まい方と工夫があったことを思い出して欲しい。
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家族との生活を相対化することは、私たちが結婚して家族を持ちたいと思い、実際に家族を大切に思うことと矛盾しない。そうではなく、家族だけが常に信頼に値し、家族だけで助け合うことが常に望ましいのだという神話に固執することで、家族関係を逃げ湯のない閉塞状況に追いやり、また、他人との実り多い助け合いの可能性を閉ざしてしまうことが問題なのだ。