REITへの転換には制度の整備が課題

2011.11.04

不動産を多数保有する上場企業にとっても、買収の脅威を回避するためにREIT化は有効な選択肢となりうる。買収されるのであれば、REITに転換し、賃料収入だけを望む投資家に株主になってもらおうという考え方である。買収脅威はすでに現実姉を帯びている。二〇〇七年、TOCの保有不動産の含み益に着目したダヴィンチ・アドバイザーズが敵対的TOBをしかけたことは記憶に新しい。上場不動産株のPERを比較すると、賃貸収入を主な収益源とする銘柄は、他の不動産銘柄に比べ、圧倒的にPERが高く、投資家の注目度がうかがい知れる。

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日本の不動産市場に世界の注目が集まるにつれ、優良不動産に目をつけた買収脅威は増していくであろう。不動産株だけではなく、製造業や小売業であっても優良不動産を持つ場合は、買収ファンドの視野に入る。特に、海外機関投資家のコア型投資ニーズが高まっていくと、コア型に値する優良アセットを持つ企業は有望な投資対象と見なされるであろう。実際に、事業会社がREITに転換するためには、さまざまな制度を整備することが課題となる。フランスやイギリスにおいては、事業内容の制限、負債制限、配当要件、株主制限、REIT転換の出口税支払いなごが当該企業に求められる。こういった制度の議論が日本においてはまだ十分になされておらず、今後の検討テーマとなりうる。