再生建築はオーナーが持つ賃貸物件に偏っている。分譲マンションでは用途転換を含む再生が難しい。制度的に「合意形成」の壁が分厚いからだ。マンションでも、管理事務所をコミュニティールームに変え、集会所を増改築する例などは見られる。区分所有者の四分の三以上の賛成があれば可能だ。しかし、区分所有法は、専有部分の住戸を集会所に改造し、あるいは介護施設に変更するような転用は想定していない。その場合は民法にさかのぼって「全員合意」が必要となる。
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住戸は住戸として使い続けるというのが、区分所有法の基本的な考え方だ。ここを「時代のニーズ」に合わせて、どう変えるかは「政治」の課題でもある。建て替えに向けて、小泉政権の都市再生の枠組みで法律が整えられたが、再生に関しては無策である。マンション再生を政治のテーブルにひき上げるには、多くの人がその意義を再認識しなくてはならないだろう。欧米の先進諸国では、建物を壊さず、躯体を生かし、用途も現代的ニーズに合わせる再生が盛んに行なわれている。室内だけを改装するのではなく、建物まるごとの長寿命化、現代化が図られる。その根本には「居住権」を重んじながら、社会的コストの合理性を追求する哲学がある。